作品について
図形楽譜による箏と打楽器のための作品。正方形に書かれた楽譜は,90度ずつ傾けて4回演奏され,そのたびにまるで万華鏡のようにそこに表された音の世界が変容する。どの角度からはじめてもよいし,2人の奏者のテンポも決められていない。
しかし2人の奏者は互いに音を聴き合い,互いに反応し合って曲を進めていく。2つの歌は2つの流れのように時にはからまり合い,時には追い掛けあい,一致・不一致を繰り返しながら進んでいく。箏や打楽器の様々な技法と音色は,まるで声色を使い分けているように2人の演奏を彩っていく。
この楽譜をもとに,多様な音色や演奏のできる楽器を選んで,楽器を使った対話を楽しんでみたい。
坪能由紀子<音楽教育>:本作品の企画制作者(委嘱)
プログラムノートより