詩でも音楽でも「名作」には秘密がある。その感じ方はひとそれぞれだろうが、自分でもつくってみるとその偉大さが実感できる。リスペクトを抱くことになる。音楽づくりにはそれが一番大切だと思う。
音楽の仕組みを理解すると「勝手なコーラス」のように、幾らでも勝手なモノ真似から自分たちの世界を堪能出来ることになる。オリジナルな世界とふれ合えるチャンスにもなる。
ただワークショップリーダーの問題は二つある。一つはリーダーの存在が薄くなればなるほど優れた存在になるから、正に縁の下の力持ちになることだ。同じ目線でつくり合い、参加者が主役になればなるほど、リーダーの実績が表面に出ることは無い。もう一つはそれに伴い、何十回も実施して、参加者と何百曲つくっても、楽譜に残って売れるわけでもないし、業績として評価されることはなかなか無い。つまり儲かる話では無いということだ。しかし私はだから素晴らしい、と思っているのだが・・・
音楽家のトレーニングは「自分がステージで輝くこと」が大きな目標のひとつだから、みんなの耀きをどう生かすかの折り合いは難しいようだ。
コーラスだから合唱に興味のある人びとが喜んで参加されるかと思っていたが、「楽譜を忠実に再現」することの大切さを主張するひとが多くて、なかなかデタラメでない即興を生かした音楽の生産に参加されることが無かったのが残念だった。