音楽会場で子どもの音楽企画を私が鑑賞する時には、必ず見聞する位置がある。招待席のような正面ではない。前の方の両サイドか、二階以上の席でも(あれば)サイドの席だ。どちらかというと安い席かもしれない。横から後方の席が無理なく見渡せる席がいい。理由は子どもの反応や顔が見えるからだ。

 演奏会や演目によっては、子供が身じろぎもしないで、まるで魂を奪われたように見聞きている演奏会もある。バレエなどでも、友だちが出ていたりすると、身近に感じて楽しんでいるようにもなる。楽しいと、またウケたりすると、ワッと湧き上がり、頭が左右に動く。隣に座っている親の顔や、他の仲間(子どもたち)の反応も気になるが、何よりもステージと一帯になっているからだ。

 いかに子どもの企画だといっても、飽きるとすぐに頭がグラグラ揺れ動くようになる。落ち着かない仕草が出ると、ステージとの接点は希薄になる。必ず親がお行儀を理由に説得する光景が出てくるからすぐに分かる。