詩人の谷川さん、波瀬満子さんたちがつくった「ことばあそびの会」は以前ここでふれたことがある。一つの言葉やその切っ掛けから連想する世界をふくらませるのは、音楽をつくることと同じで、随分トレーニングさせてもらった。ダジャレも多く、言葉を大切にする人びとからは嫌われたが・・・
「青天の辟易」というのがある。晴天時に突然雷が鳴る(霹靂)ことと同じで、突然何かが起こることにうんざりするというシャレだ。
「君子危うきに近寄らず」という言葉と「虎穴に入らずんば虎児を得ず」という故事がある。しかし「虎穴の出口で虎児を待つ」となると意味深で、様ざまな場面が空想できる。
子どもの頃に「鳴かずんば 鳴くまで待とうホトトギス」『・・・鳴かせてみようホトトギス』『・・・殺してしまえホトトギス』という有名な句に出会った。家康・秀吉・信長を良く表しているといわれた。それを「鳴かずんば 自分で鳴こうホトトギス」と言って、子ども仲間に受けたことがあった。ところがその後、同じことを言って知事になった人がいた。有名人の宣伝文句に私はすっかり白けて、以後封印してきた。
同種のあそびは一冊の本が出来るほどあるが、その内容に価値があるのではなく、温故知新はその種のあそびから誰でも面白い創造への誘いがあるように思われる、というサンプルとして思い出した。