6月4日は「虫歯予防デー」だが、その後「虫の日」が加わり、最近では「無視の日」というゴロ合わせの日まであるようだ。
人を意図的に無視する行為は、陰湿なイジメの一つだ。しかも狙ったひとを誰でも手軽に仲間から葬り去る手になっている。子ども社会でも、大人から組織でも日常茶飯に行われている。「村八分」という行為は今も現実的にある。
その被害は深刻で、人間関係はもちろん子どもの深層心理まで病魔の専有物となっている。だからイジメによる「悩み事相談」の記事が其処彼処にある。しかし問題の種は千差万別・十人十色で複雑怪奇な様相に特効薬は無いようだ。
加害者は誰に何をしたのか忘れても、被害者の心の傷は一生癒えないものだ。癒えないだけでなく、自分も知らずに弱いものをいじめる智恵を身に付けてしまうことになる。私は物心ついた時からあらゆる機会に遭遇して来たので、その被害の深さを承知している。今でもどんな理由であれ、シカトしたヤツとは二度と信頼関係を持つことはない程強烈な意志だけが残っている。
悩みの基は、人と仲良くすることを子どもの頃から躾けられていることだ。
シカトされて悩むひとは、何処か自分にいけないところがある、嫌われる自分がいけない、と責めたり何かを反省したりしてしまう優しさを持ち合わせているから、傷が深くなるのである。どんな理由にでもシカトするヤツがいけないのであって、被害者が不幸を味わう理由は全くないのである。
窮鼠猫を噛む怖さを秘めていた方がいい。その毒と使い方はここでは記せない。加害者は弱い消え入りそうな人にも毒があることを知るべきだ。その肝の据わりだけでも、みんな確と(しかと)気が楽になるはずだ。