Katsuhiro Tsubonou Official Website. Act 2001~

月: 2023年5月

続・コスモス200

 以前、本欄でNHKの委嘱・製作・放送初演された拙作の電子音楽「コスモス200」のマスター・テープを紛失された話を書いたことがあった。
 90年代、ある教科書会社の小学校・音楽1年の鑑賞教材に採用されたことがあり、レコード製作のスタッフにオリジナル・テープを預けたことがあった。「星の音楽をきこう」という副教材で、ハイライト版として5分程に編集した時のことだった。厳しい管理の中なのに、コピー後にどういうわけかマスター・テープが消えてしまったのだ。
 二度と聴けないと思い、心底落ち込んでしまっていた。
 ところが NHKの製作スタッフが保管したマスター・テープがあったのだ。そのテープにより、この度全曲版の CDが一般発売され、誰でも聴けることになった。嬉しい限りだ。

 83年から84年にかけて、東京大学野辺山電波観測所にも伺い、毎週 NHKの電子音楽スタジオに通っていた労作だ。40年振りに再会した世界だった。

 ビックバンから現代の時間までと、夕方から朝方までの12時間を同軸に縮小して、地球の窓に飛び込む銀河からの星の音(パルサー)をキャッチした音楽だ・・・遠い星や古い星は、ピコン・ピコンと歌い、若くエネルギーのある星はブルブルブルとオートバイのエンジンのような音になっている。真夜中は、一つ一つ異なる星たち(パルサー音)の大合唱になる。そして明け方になると星の輝きが薄れて行き、ドーン・コーラス(暁の合唱)が空間を埋める・・・

  NHKの技術の人びとが凄い。70年のスタジオでの製作歴史は、世界に誇れると私は思う。是非みなさまも一度お聴き願いたいと思っている。

下記のリンクをクリックすると試聴可能なCD販売サイト「音の始源を求めて」に移動します。

https://sound3.buyshop.jp/items/72764961

名誉アドバイザー

 私なりに老化現象を感じられるようになり、作曲を除いて、公務などは少しずつ遠慮するようになって来ている。心身共センサーが鈍くなって来たようだ。

 そんな中で(公益社団法人)全国公立文化施設協会の「名誉アドバイザー」就任のお知らせをいただいた。長年全国の文化施設へ助言・支援させていただいたことが理由だそうだが、私自身は、もう指導・助言など申し上げることなど何もない、と思っていたところだったから、ビックリしてしまった。  要は、今後触れ合った文化会館の事業に「素晴らしい!」と賛辞を贈る役として、もう少しアドバイザーの仲間に加わっていること、とのお誘いだと思っている。