紙コップの底に糸を付け、ピンと張った二つのコップ間で会話をし合うと数メーター離れた人どうしが会話を楽しめる・・・誰もが子どもの頃、一回は経験した科学的なあそびだ。
柔道で(相撲でもいい)、相手と組むと同じ現象を味わう。つまり相手の腰の動きが組んだ手から伝わってくるからだ。だから相手の動きが分かるから、それに対応すれば良さそうに思えるが、勝負や腰の動きは分かったから対応できるほど簡単な話ではない。一瞬で力の関係は変わり、勝負は決まる。ただその動きの応用を他に出来るかどうかで面白くなることもあるようだ。
人と人との交流は、慣れると糸電話と原理は同じように見える。つまり組手に至らなくても、聞こえてしまうことがあるようだ。心の瞬時の動きは糸電話で話しているくらい伝わっていることもある。人はそこにいるだけで、実は糸電話で話しているのと同じ現象にあっている。